秋の風物詩、「しで」
勝矢和裁の玄関先に揺れる謎の紙。
これは、人型……?それとも……
祭りの季節。「紙垂」が町にやって来る。
みなさんこんにちは。勝矢和裁、仕立てのコバです。
秋祭りの季節になりましたね!勝矢和裁のある広島市周辺では、この頃になると家々の軒先に「紙垂」(しで)の下がった縄が渡されているのを見かけます。
紙垂は半紙を切ったもので、人型ではなく、雷の形を模したもの。これを渡した場所は、いわゆる「結界」、清浄な場である事を示している……らしいです。
地域の神社で祭りを行う際に、家々に配られ、一斉に飾られるので、その道を通ると、「この辺で近々お祭りがあるんだな」とわかります。
町中に飾られた様子は、一種独特の雰囲気があります。
ネットで紙垂の画像検索をすると、広島周辺の写真が多く出て来ます。もしかすると、この地方に独特の風習なのでしょうか?北の国出身の筆者は、広島に来るまで見た事がありませんでした。初めて見た時は、うっすら怖かったです……
紙の切り方は流派によって違いがあるらしく、瀬戸内のある島出身の先輩は、「うちの方ではもっと大きな紙を使う」と言われていました。機会があれば見てみたいです。
ちなみにこの記事を書く前に二、三人の広島出身の方に「あの紙のやつ、なんていうんですか?」と聞いたのですが「はて、なんじゃろう」と、グーグル先生に聞くまで答えがわかりませんでした。
名称はわからずとも、「祭りの時に飾る、紙のアレ」として、ごく自然な形で地域の営みに溶け込んでいるようです。
何気ない事で季節の移ろいを感じられる、こういう伝統っていいですね。